国道308号線?あれは「国道」なんかじゃない、「酷道」だ。
国道308号線を運転したことがあるドライバーは皆、必ずこう言う。
かどうかは知りませんが、とにかく国道308号線はヒドイ。
私は運転免許取りたての頃。
生駒市の友人の家に車で遊びに行った帰りこの道に迷い込みました。
急こう配の登りが続き、暗峠という峠を越えると始まる急こう配の下り坂。
道はめちゃくちゃ狭いのに両側通行。
対向車が来たらもうパニック。
ブレーキはべた踏み。
不安と恐怖で流れる汗。
無事故で帰ってこれたのが奇跡でした。
もう二度と車では通りたくない。
何があっても。
もう二度と。
でもある日ふと思ったんですよ。
歩いて暗峠を越えれないだろうか?
だって私、山ガールだから💛
ハイキングコースとしても楽しめる暗峠(国道308号線)
そのハンパない斜度、狭くうねる道。
「酷道」と揶揄される国道308号線。
暗峠を越えるので「暗峠」と呼ばれることの方が多い道です。
私のようにカーナビの指示に従ってボケっと運転していたら迷い込んでしまった間抜けドライバーにとっては地獄の始まり。
二度と思い出したくないくらいのほろ苦い記憶が残ります。
無事故で帰っては来れたものの、あの時の恐怖は忘れたくても忘れられない。
なんだか暗峠に負けた気分・・・
それもそうなんですが、なぜか「負けた感」がするんですよ。
しかし、暗峠のこの斜度。
ハイキングに良さげ。
そう思って調べてみると、たくさんのハイカーが暗峠を越えていることが分かりました。
しかも関西からだけでなく全国からわざわざ暗峠を登りに来ているハイカーもいるらしい。
車で行くのは絶対に嫌だけどハイキングでリベンジしたい!
そんな闘志がふつふつと湧いてきました。
奈良と大阪を結ぶ最短ルート「暗峠」
暗峠こと国道308号線は奈良と大阪を結ぶ最短ルート。
もともとは暗峠奈良街道と呼ばれる古道でした。
江戸時代にはお伊勢参りがブームになり暗峠奈良街道を通る旅人が増え、暗峠は休憩場として宿屋・油屋などが20数件立ち並んで賑わっていたそうです。
今でも往時の名残が残り風情のある景色を眺めることができます。
約400年前に敷かれた石畳も残る峠道として「日本の道100選」にも選ばれています。
大阪側から暗峠を登るなら近鉄奈良線の枚岡駅または額田駅が最寄りです。
奈良県側だと近鉄生駒線の南生駒駅が最寄り。
私は大阪側から登るので枚岡駅から歩くことにしました!
それでは一緒に暗峠を登りましょう!!
徐々に無口になる大阪側の急こう配
スタートは近鉄奈良線の枚岡駅。
枚岡駅を出て、線路沿いに北側に3分程度歩くと、暗峠こと「国道308号線」にぶつかります。
ここから暗峠へと昇っていくことができます。
すでに厳しめの斜度の道路が見えてますね♪
ちなみにすぐそばの枚岡神社の奥の方からもハイキングコースに入れるようになっています。
道路じゃなく山道を歩きたい場合は神社の中へ進んでいってください。
国道308号線をくらがり方向に向けて歩き始めます。
山や坂道の勾配って写真じゃなかなか分かりにくいのですが、しょっぱなからキツいです。
すぐに汗が流れ始めました。
メモ
写真を見て気づいた方もいるかも知れませんが酷道308号線の道路はアスファルトではなくコンクリート。
斜度が20%以上ある道路ではアスファルトを敷くことができません。
コンクリート舗装の道路になります。
コンクリート舗装の道路によくみられる丸い輪っかは滑り抵抗性を向上させるためのものなんですって。
ということは登り始めから20%超えの斜度。
徐々に息が荒くなり独り言の多い私も無口になります。
ハイキングコースもいい雰囲気
途中、道路から山道側に入れる場所があるので山道ゾーンも歩いてみました。
なかなかいい雰囲気です!
視界に飛び込んでくる鮮やかな赤い色の豊浦橋。
しばしの間、マイナスイオンを浴びながら歩くことができました。
再び道路側へ戻ります。
それにしても・・・
きつい!!!
最大勾配は37度。
激坂が休みなく続きます。
ここが一番すごい角度でした。
とにかくずーっと坂、坂、坂。
距離的にはそんなに長くはないのですが、斜度が斜度なだけに短時間でもヘトヘトになります。
ようやく人家が見えてきて、暗峠まであと少しだということを知ります。
7月初旬だったので紫陽花がキレイに咲き誇ってました!
石畳の残る暗峠に到着
まるで門番のように行きかう人を見つめる猫さんに挨拶したら、ようやく暗峠に到着です!
石畳の道が風情を感じさせます。
暗峠には何軒かのカフェやお土産物屋さんのような店があります。
奈良県との県境。
奈良側から見た暗峠。
お店などをチラチラ覗きつつ少し休憩したら、ハイキング再開!!
奈良側は棚田と昔ながらの町並みが広がる
奈良側に入るとあとは下りだけ。
大阪側と比較すると、視界がひらけた感じがします。
解放感に浸れる奈良側の国道308号線
棚田が広がり、まるで岐阜県の「天空の茶畑」みたい!
えぇ、まぁ・・・。
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南生駒の町並みが眼下に。
辛い坂を上り切った後なので、解放感がすごかったです💛
奈良側は大阪側より斜度が緩いので登るなら奈良側からの方が楽ですね。
途中で謎の「暗峠のたまご」を発見。
有精自然卵が10個500円で販売されています。
わざわざ県外から買いに来るお客さんもいるそうですよ!
生活感も感じられる奈良側
大阪側の国道308号線は鬱蒼とした木々に囲まれ、突然お地蔵様が現れ「うわっ!」とびっくりする。
すこし不思議な世界観を醸し出していました。
奈良側は人々の生活感が感じられ、なんだか安心感がありました。
立ち並ぶ古民家、そこかしこに咲いている花々。
写真を撮りながら下っているといつの間にか平坦な道になっていました。
どうやら気づかないうちに暗峠奈良街道は終わっていたもよう。
サイクリングルートもあるらしく看板が!
でも自転車で暗峠を越えるのは私にはまず無理。
中には自転車で暗峠を踏破する猛者もいるらしいから驚きです。
偶然見つけた雰囲気のいいお寺に寄り道したり。
奈良側、めちゃくちゃイイ!!
たつたがわ。
これはもしや「千早ぶる神代もきかず竜田川からくれないに水くくるとは」の竜田川!?
なんて考えているうちに南生駒駅に到着。
めでたくゴールです💛
暗峠ハイキング、おすすめです!
距離自体はそんなにないものの斜度がきついので達成感は大きかったです。
道中に見られる古道の面影を感じさせるさまざまな遺物。
珍しい石畳の峠。
棚田や古民家。
見どころがギュッと詰まった暗峠ハイキング。
めちゃくちゃ楽しかったです。
帰りの電車で乗り換え間違えておかしなところに行っちゃったけど。
それでも楽しかった~!!
ハイキング好きな方はぜひいつか暗峠に上りに来てください💛
おススメです!!
以上、みおさんでしたー